柑橘農家の自立は10年かかる話

柑橘農家の自立は10年かかる話

ゼロから柑橘農園を始めて自立するまでには、10年はかかると思っています。

これは理想論ではなく、実際にやってみて感じた実感です。

柑橘農家が自立するまで「時間」が必要な理由

農業は、作業をすればすぐに結果が出る仕事ではありません。

特に柑橘は、木を植えてから収穫できるようになるまでに時間がかかります。

美味しい柑橘が、安定して収穫できるようになるまでには、7年から10年ほど必要です。

収穫物がなければ、収入もありません。

どれだけ手をかけても、結果が出るまでには時間がかかります。

この「時間」は、努力で短くできるものではありません。

先代から引き継ぐとき「間を空けない」と決めた

農業を始める前は、技術や知識が一番の壁になると思っていました。

でも実際には、「時間」そのものが、いちばん大きなハードルでした。

先代から農園を引き継ぐとき、「間を空けてはいけない」と強く感じました。

引き継いだときの、正直な状態

実際に引き継いだとき、農園の収入は、正直わずかなものでした。

定期的に買ってくれるお客様がいるわけでもなく、販売先が決まっている状態でもありませんでした。

「この農園の柑橘を待っている人がいる」そう言える状況ではなかったと思います。

引き継いだ木も、決して「元気な状態」と言えるものばかりではありませんでした。

すぐに利益につながる品種は、ほんのわずかしかありませんでした。

畑と木はあるけれど、それだけで営農していける状態ではなかった、というのが正直なところです。

さらに、すぐそばで教えてくれる先代もいませんでした。

技術や判断を、その場で確認できる相手がいない状態です。

畑を前にして、自分で考え、自分で決めていくしかありませんでした。

弱った木や、利益になりにくい品種が中心の状態で、農業を続けていくのは、簡単なことではありません。

それでも、一度止めてしまえば、畑はさらに荒れ、木の状態はもっと悪くなっていきます。

一度荒れてしまった畑を、元の状態に戻すには、想像以上の時間と労力が必要です。

だからこそ、「間を空けない」ことが、とても重要だと感じました。

引き継ぐのは、木だけじゃない

引き継ぐのは、木や畑だけではありません。

そこには、これまで積み重ねられてきた時間があります。

判断の積み重ねがあります。

そしてもう一つ、お客様からの信頼も、これから積み上げていかなければならないものだと思っています。

今でこそ、柑橘を買ってくださるお客様がいますが、それは最初からあったものではありません。

「今年も買おう」と思ってもらえること。

それは、農業を続けていくための大きな支えです。

正直に言うと、日々の作業の中で、そのことを強く意識する瞬間は多くありません。

目の前の畑や木のことで、精一杯になることもあります。

それでも、お客様が柑橘を買ってくれるという行為は、農業を続けていくことへの応援そのものだと感じています。

10年かかる農業を、続けていくために

すぐに結果が出る仕事ではありません。

10年かかる農業です。

それでも続けていけるのは、支えてくれる人がいるからだと思っています。

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